好きな映画・舞台などの感想を綴っております。
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戦争は‘人’を必要とはしない。
上層部の人間にしてみれば、戦争は一種の椅子とりゲームのようなもので兵士は駒。
戦場というチェス盤の上で踊ればいい。
最終的にはゲームに勝つこと。
それだけなのだから。
でも戦争というフィールドの中で戦う駒には意思があり、心がある。
命の灯火を嵐の中で晒し、殺される前に殺す。
いつしか非日常的な日常の中で兵士達は疲弊し、疲れ果てる。
ちぎれてなくなりそうな心の中にあるのは、勝って一日も早くこの戦況から脱して、自分を待っていてくれる家族の元へと戻るという希望。
でもそれは敵方にしても同じこと。
でも知らずに両者は戦い続ける。
同じ思いを抱え、苦しみながら。
ただ言われるままに。
そんな絶望ともいえる最前線に響いた曲。
スコットランド兵が故郷を懐かしんで吹いたバグパイプと懐かしい故郷の歌。
それは敵方のドイツ軍にも、そして味方のフランス軍にも届く。
折りしもその日はクリスマスイブ。
クリスマスにすら家族の元へ戻れず、戦わなければならない悲しい兵士達がこぼした歌声が彼らを数奇な運命へと導いていく。
戦いをやめ、銃を置き、人々は一人の人間として他国の民と向かい合った。
言葉は通じない。
だけど笑顔と酒と少しの食べ物。
それだけでお互いの気持ちは少しずつほぐれていく。
そう、忘れていたけれど戦っているのは他国民とはいえ同じ人間。
違う国の兵服を身にまといながらも、人々は笑顔で自分の家族の写真を見せあったり、会話をしたり。
忘れていた楽しいひと時を過ごした。
そして国を超えた厳かなるミサが行われる。
そこには国も、敵も何もない。
ただ穏やかに祈るだけの時。
自分の罪を悔い改め、ある者は涙を流し、ある者はただ静かに目を閉じた。
戦争など忘れた時の中で朝を迎え、人々はサッカーに興じたり、カードに興じたりしながら時を共有していく。
だけど限りある時の中でいつしか終わりはやってくるのだった。
それでも人々は過ごした時を忘れられず、なくなった人々を埋葬し、クリスマスを過ごす。
そこには自国民だから、なんて理屈はなく、助け合う。
人々の中にはいつしか友情にも似た感情が湧きあがるのだった。
戦争の日々に戻ったものの、そんな楽しい日々を過ごした人を相手に銃を持ち、戦えるだろうか。
答えは否。
自国の仲間達にバカだと、狂っているとののしられても、笑いあい、酒を酌み交わしあい、命を助け合ったあの向こうの人々の優しさが忘れられない。
戦えなくなった兵士達の姿は各国の上層部の知れ渡るところとなり、絶望的な場所への派遣が決められるのだった。


見てきました。
元々戦争映画は嫌いなのですが…これは戦争というよりも、反戦だったので見てみようという気になったのです。
見ながら、正直涙が出ました。
どれだけ苦しくても、愚か者のレッテルを貼られても、あの日の休戦を、そして命を助け合った仲間を最後まで誇りに思い、彼らとの時を公開していない兵士達の姿は本当に格好よかった。
思わず、上にあらすじをつけてしまうくらい胸がいっぱいです。
もし戦争なんてなくて、平和な土地の中で知り合っていたなら…そう思うとたまらなくなりました。
あの中から一人でも多くの人が助かってくれたと信じたいです。
ネコですら行き来ができる土の上は遮るものなんてないはずなのに。
線引きしているのは人間。
そして自分達は何もしない上層部。
戦争がこの上なく無意味に感じられます。
でもそんな中でも、人々の誇り高き姿は本当に美しく尊いものでした。
難点を言えば、主人公に感情移入が出来なかったし、あの兄弟の姿が中途半端だったのが残念です。
でもそれを差し引いても、男たちは素敵でした。
これは実話のオマージュ作品だったりします。
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