好きな映画・舞台などの感想を綴っております。
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2006.5.14

記憶が零れ落ちていく。
仕事のこと、部下のこと、娘のこと、孫のこと、そして妻との思い出も。
死んでいく方がマシなのか、それでも生きている意味はあるのか。
模索する。
変わっていく生活、疑心暗鬼になる日々、それでも僕は生き続ける。
妻が支えてくれるから……。


せつない物語です。
一言では語れないし、語ってはいけない。
誰にでもありうる事態に直面した時、人はどうするのでしょう。
それは渡辺謙さんの演じられた主人公でもあり、樋口可南子さんが演じられた妻でもあり、そして娘でもあるかもしれない。
そうなった時にどこまで目を背けず、現実に向き合えるかと問われたら怖くなります。
でもきっと事態に直面してしまったら、逃げられない。
多大に悩むだろうし、殺してしまいたくなるかもしれない。
自分が発症したら自殺を選ぶかもしれない。
記憶が零れ落ちることの怖さ。
今まで出来ていたことが出来なくなる恐怖。
それを知らずにいられるなら幸せだけど、ふと我に返ったときにその事実に愕然とするしかない。
正直、自分があの立場に置かれたら、樋口さんが演じられた奥様のように振舞えるか?と考えて見たらできないかもしれません。
でも目をそむけてはいけない問題だと思うのです。
実際、アルツハイマーは増えているし、治療薬も治療法も確立されていない。
ただ家族は見守ることしか出来ない。
自分の親、兄弟、そして伴侶が発症してしまったら…彼らを前にしたと考えたら、怖くなります。
またそれだけれはなく、私は自分の職業として及川さんの演じられた医療側の立場も本当に胸にぐさっと突き刺さりました。
事実を伝えなければならない。
だけど助けられない。
ただ共に最後まで戦い、見守るだけ。
様々な立場で考えさせられる映画でした。
ラストは本当にせつなくてどうしようもないのですが、これを見て今一度考え直すことも必要な気がします。
奇麗事ではすまない、事実だと思うから。
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いつの間にか映画が好きになり、結構な勢いで見ております。
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